紙のイベントスペース

2016年11月27日、東横フラワー緑道高島山トンネルにて開催された地域イベント「みんなのトンネルプロジェクション」のための会場構成のプロジェクト。
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東急東横線の地下化に伴い整備され、2011年に開通し歩行者専用通路となったトンネル内で、約60メートルに渡り行われる様々な映像イベントのために、高さや長さの異なる3つのスペースを、紙(ダンボールパネル)を組み上げることで実現しました。

まず提案・製作にあたり、以下の条件を満たす必要がありました。

①低コスト … ボランティアによる地域イベントのためできる限りの低予算化を図る。
②短い施工時間 … 普段通路のため事前の設営は不可能。施工時間はイベント開始前の2時間程度。
③安全性への配慮 … 地域の子供たちをターゲットにしたコンテンツが多く、安全面での注意が必要。
④イベント終了後の廃棄問題 … 大量の廃棄物を出さずに、再利用・再活用できるデザイン。

これらの条件を踏まえた上で、紙を使うこと、組み立てが容易でありながら構造的にも安定した工法、再利用が可能な汎用性のあるデザイン、などが次第に決まっていきました。

紙(ダンボールパネル)は8ミリ厚(5ミリと3ミリの合わせ材)を採用し、特殊な工具やジョイント材は一切使用せず、折り曲げとスリットの噛み合わせによる単純な操作を繰り返すことで、誰でも簡単に大きな面をつくることを可能としました。
最大で高さ2.1メートルまで積み上げた紙の壁面は補強無しで安定的に自立し、イベント時には、視線は遮りつつも音や空気の流れは遮断せず、通路とイベントスペースを緩やかに分割します。また、紙(ダンボールパネル)は表面が白、裏面が茶色のものを使用することで、イベント空間には暗さが求められ通路空間には足元の明るさが必要という、相反した要求を同時に満たしています。

イベント終了後、折り曲げてコンパクトにまとめられた紙(ダンボールパネル)は、トンネルの最寄りの小学校に寄付され、授業や催事での活用と共に、災害時避難場所に指定されていることから、体育館等の大空間での避難者のプライバシー保護のためのパーティションとしての活用も期待できます。

設計 : 2016.3 ~2016.11 / 種別 : 仮設 / 面積 : 399.55㎡ / 敷地 : 神奈川、日本
施工 :濱田慎太建築設計事務所、神奈川区魅力さかせ隊
企画:神奈川区魅力さかせ隊